障害児やその保護者との付き合いも長くなると色々な話をする機会が多い。
どの保護者も「私が死んだらこの子はどうなるのか」 という悩みを聞く。順番から言えば親が先に逝くのは当たり前で、それは自然界の法則と言える。
ではどのように、何を子に残せば良いのか。障害児でなくとも親であれば誰でも考えることだろう。もちろん、色々な考え方がありお金をいっぱい残し、施設に入れるという話も聞いたことがある。
お金があればそれも良いかも知れない。ではお金があれば幸せなのか?
まずは自分に置き換えて欲しい。お金があれば好きなもの買い、好きな所へ行けるかもしれない。しかし心が満たされていなければいくら買い物をしても幸せと言えないのでは?
つまり人の気持ちはお金では買えない。人の為に何かをし、人の為に役立ったとき自分の存在感を知るという。
障害があるから人の役に立つことはない・・そう思っている人も多いかもしれないがそれは間違いだ。 横に寄り添っているだけでも、心が和むことだってある。
余談だが父が亡くなって初めてのレッスンを再開した時、生徒が花をプレゼントしてくれた。
会話もできない生徒が満面の笑みであたしに花を差し出し「せ・ん・せ・い」とそう言った。
私は大泣きしてしまった。これで良いのではないかと思う。
親も子も一緒になって何が出来るか、それを模索して欲しい。
人の為に何かをする、また コミュニケーションを取る手段を習得したり、一緒に笑ったり泣いたり。
算数や国語より、感動する気持ちや新たな経験を積むということを どうか残して欲しい。