湯ノ山へ行った

私の毎日の生活はかなり時間に追いやられている。もちろんこれは誰しもに言えること

かもしれないが、とにかくイラチ?の私は1分1秒とも無駄にはしたくなく、レジ打ちの

お姉ちゃんが遅いと「この列は失敗や・・・」と思ったり電車でさえ5分も待ってると「洗濯物

1つは入れれたな・・」などと考えてしまう。

 

そんな中で9月某日家事からも仕事からも解放される日があった。行き先は三重県の

湯の山温泉である。去年紅葉のときたまたま四日市でのコンサートに出かけたときに知っ

た場所であった。

 

私の仕事というのは時間的な稼動は決まっているが、“どういった事が各々生徒にマッチ

するか”ということを考え出すとこれがレッスン時間外になる。たとえばねぎを刻んでいるとき

でも、入浴中でも“○○ちゃん、どうしたらあれがわかるかなあ・・”とか“あの言い方ではたし

てよかったかな”などと仕事モードになってしまう。 

 

湯の山では思いっきり自然を満喫した。蒼滝というところでは50Mの滝を眺め、“この滝の

最初ってどうなってるんかな?水は無くなることはないのかな?”とふと思ったりした。

 

また西国三十三箇所に見立て観音様が祭られていた小高い山を登ったり、大石といって

畳み三十畳はあると言われている石の上に乗り流れる川を見下ろした。また御在所ロープ

ウェイに乗り鹿を見たり鳥を見たり、山頂からの景色を堪能した。透き通る水を感じ、秋の

爽やかな風を体感し、壮大な木々からなる山を見上げなんと自然は美しく人間はちっぽけな

生き物に過ぎないんだろうと思ったりした。

 

時間を忘れあくせくした都会の生活を忘れ、ぼーっと滝を見て川に手を浸け遠くにそびえる

山を見ることが私にとって1番贅沢な時簡であったことは間違いない。