中学2年生の三男が帰宅すると、あめ1個が机の上に載っていた。
またあるときはそれがチョコレートであったり、おまんじゅうであったり・・
学校で誰から貰ってるのかと思いきや、なんと保健室の67歳のK先生からと
判明。 息子はある私学の総合学園に通っているが、その保健室の中学ではなく
高等学校の先生からとわかってまたまたびっくりした。
きっかけは授業中に体調が悪くなり保健室に行ったが中学校の保健の先生は
不在でやむなく高校のK先生が対応してくれたということらしい。
しかしその後も保健室へ行くと、K先生のところへ行き、こっそりココアをご馳走
してもらったり赤福餅を平らげたりとあっぱれ?学校内でなかなか居心地のいい
場所を見つけたようだった。
しかし、親として”もしかしてこんなに保健室へ行くということはいじめられてるのかも”
などと聞いては見たがどうやらそれは懸念であった。
スキーへ行っては担任やクラブ顧問はそっちのけで、おみやげを買いK先生に渡し
ているところを見ると私はこの先生に興味を抱き是非お会いしたいと思うようになった。
そしてついに2月の参観日の後このK先生と対面することができた。
先生は私を見るなり「まあ・・まぁちゃん(息子のこと、K先生はこう呼ぶのかと
このとき初めて知った)とそっくり!!
一緒にスキーに行き、コンサートに行き ピアノの先生をしてるって聞いてるよ」と
おっしゃった。「え?そんな話もしてるんですか?」と驚く私に「この間もスキーに行ったんでしょう~ピアノもお母さんから習ってるんだって」 と親しみを込めて話してくださった。
K先生いわく「まぁちゃんがしんどくて寝てるときに、違う生徒が来てそのときの私の
対応が 彼の心にピンときたみたい。何を生徒にしゃべったのかは覚えてないけど
なにか共感してくれたのかな。それから来るようになったの。
そうそうここからだと運動場に近いから下靴もここにあるよ(笑)」とおっしゃった。
ええ??息子の運動靴がここに・・・??
またまたびっくりした。 余り多くをしゃべらない息子がここでココアを飲み、せんべいを食べながら自分のことをポツポツしゃべる。それはまぎれもなく自分を受け入れてくれると確信したからであり、またK先生と心が通い合ってるからである。同じ教育者として心が通いあうってすごい・・羨ましい・・と思ってしまった。
まぁちゃんのお母さんに会えてよかったわとおっしゃるK先生に
私のほうが息子のことをこんなに受け入れてくれていると嬉しくなってしまった。
子供に信頼されてる先生ってそういないだろうなあと思いながら帰ろうとするとドアが、がたっと開いた。
「先生!咽喉痛いねん・・アメちょうだい!」
「はいはい・・どれにする?まぁちゃん」